2012年07月29日

文士のきもの

近藤 富枝

一番おかしかったのは、永井荷風の離婚理由。

寝巻きが綿なのが嫌だった。


玄人好きがその理由って説明あったけど、もう、何がどこがでなく、ともかくもー嫌だって感じがおかしい。若い頃もあったのねー。最初から濹東綺譚ってわけないのよね。と思いました。
奥さんにしちゃ、たまったもんじゃにないですが。

谷崎潤一郎の「王朝趣味」で、源氏好きの男はやっぱりまず源氏に感情移入するのだとろうか。と今更思う。しもっぷくれのちゃら男なんだが。確か歳いってから服装を揶揄されてなかったっけ。それまでにさんざんいい思いしてるからいいのか。
谷崎奥様(最後のね)のことを考えると、藤壺が一等好みだったんだろうか。
現実とは違うか。いや、谷崎ぐらいになると一緒なのか。
とか、脱線しつつ、やっぱり着物は誂えてもらうもんなんだねー。としみじみしました。


ま、ともかく、古い色柄がすきなこともあり、物欲が刺激されて、結構やばいことに。
肩裏の珍しさ加減で買ってしまった、超地味な男モノの羽織を仕立てなおそうかと思ったり。。


面白かったです。


posted by のの吉 at 20:45| Comment(2) | 着物本

2012年07月16日

きもの名人

近藤 富枝

久しぶりの着物本。
着物本では個人的には第一位。

持ち物自慢ではなく、文壇、画壇(浮世絵含む)、演劇界(歌舞伎・新派)、映画界、古典の着物の話を取り混ぜた内容。
画像は少ないので、画像そのもを確かめたいと自力で補完しないといけないんだけど、文章だけで情景やらなんやら思い浮かべることは可能。可能な文章がすんごい。


生家が日本橋の袋物屋さんってことで、祖母と同じ言葉づかいがでてきたのも懐かしく、ゆで卵はきっとうで卵だよこの人。とか勝手に思ったり。



時節柄、文化とか芸術とかそれなりの趣味ってのは育ちがモノを言うのねー。とまたしみじみ思いました。
自らお金を稼ぐ能力とか論戦に強い(と思わせる)とかとは別の次元のものなのよ。本当。





posted by のの吉 at 11:59| Comment(2) | 着物本

2010年02月22日

着物で遊ぶ 菊地信子さんの場合

伊藤 佐智子, 清水 尚 著 青幻舎

育ちよし。センス有り。お金有り。の方のお着物の紹介本です。
ご本人自身が前面に出てはいないのですが、

古渡り更紗、で
着物どーん。

しかも、それ個人で着物にしていいのか?な貴重と思われる古布、で
着物どーん。どーん。帯どーん。(確実に波状な感じ)

なのでかなり濃いというか、かなりアバンギャルドというか。
ともかく一般人の次元とは全く違うところに居る方です。

それでも嫌味やしつこさがないのはやっぱり育ちがいいせいですか。

先日の骨董市で帯屋さんが、最近いらっしゃらなくなって寂しいと言っていました。


posted by のの吉 at 23:16| Comment(0) | 着物本

2009年11月21日

きものとからだ

三砂ちづる 著

靴とストッキングが嫌だ!と思った翌日から着物生活を始めた方の やってみたら、なんてことは無かったという話 でした。
日記みたいな内容で、特別なノウハウも出ていませんが、実行力に伴う妙な臨場感があってすっと読めます。

ポかメソッド・くのいち講座(着物の身のこなし方講座)で習った、きものという筒のなかで自由に身体を動かす。と同じフレーズが出てました。

また、着物と草履・下駄だと重心が後ろに下がるらしいです。二本下駄だとその自覚がありますが、草履の場合でも意識してみよう、と思いました。
ヒールより自然と姿勢がよくような気が。

湿気による冷えに帯は向いているとか、脇があいているのも合理的とか、日本の気候に着物は合っている。とも、ありました。

経験談なので説得力ありますけど、著者のように研究者・大学講師ならともかく、普通の会社員が着物で出社とはないしねー。冬はヒートテックと貼るホカロンでしのぐわけなのよー。と思いました。




posted by のの吉 at 20:53| Comment(0) | 着物本

2009年11月08日

結城紬―着る・作る・知る

石嶋 眞理著

定価で買うほど中身がある本ではないと思いましたが、製作工程と職人さんの話はやはり面白いです。

あと、風合いの話で、何度も洗い張りを経ると、毛羽が取れて滑らかな風合いとなり、色は底光するように冴え冴とする。という話も興味深かったです。結城といえば、風合いも実際もあったかいイメージがあったので。

で、同時期に「金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人(吉村 葉子著)」も読んでいたこともあり、

アリモノで大事に暮らそう と
手持ちの結城紬は生きてるうちに2回は洗い張りに出そう


心に誓いました。

1コ目の誓いは志高すぎのため、トイレにでも貼っておかないとヤバそうですけど。


しかし、著者の結城コンシェルジェってのはどうなんですかね。
カタナカにすると格が上がると思ってる?と思ってしまう弊社のおじさん達を思いおこさせました。
posted by のの吉 at 16:09| Comment(0) | 着物本

2009年10月30日

きもの自在

鶴見 和子 著

本屋で見かける度に買おうかどうしようか悩んでいたのですが、Amazonでかなり安く出ていたのでそちらで買いました。
良い本だと思います。

で、この著者もお嬢様でした。

白州正子といい、石川あきといい、この方といい、

着物を語るにはやはり財力が要る


ということを再確認しました。

無くても死なないものですもんね。
この著者は私がおしゃれなのは、性分だから仕方がない。と言い切ってます。なかなか自分で言えるもんじゃないです。納得するものがあるので、嫌味じゃないんですけど。

一番面白かったのが、沖縄の水は石灰を含むので自然と石灰媒染になる。なので、他の土地で紅型を染めてもあの色にはならない、という話でした。そうよね、海や空が青いからって染めがきれいにできるわけじゃないのよね、としごく当然のことを理解しました。

あと、この芭蕉布の件はこの本がモトネタだったようです。本書の著者はお父様のお土産を長着で着て、冷房が普及してきたので、芭蕉布は寒くてたまらないので、雨コートにした。とありました。

なんの文脈もなく、芭蕉布を雨コート!とは大分違うよね、と意地の悪いことを考えました。
posted by のの吉 at 00:16| Comment(0) | 着物本

2009年07月30日

石田節子のきものでおでかけ

石田節子 著

読みやすいです。
ごくごく自然に年上の人にはかわいがられ、年下には慕われている人柄なんでしょう。

「着物が好き」でもとってつけたようなお上品さが鼻につくこともないし、「仕事」でも生臭くなったりということもないし。
「着物が好き」と「仕事」のバランスがいいんだなぁと思いました。

池田から入ってなんでアンティークじゃなく現代モノのお店を始めたのか、の理由のひとつは産地の生計を守ってその伝統や技術を残せるから、という記述がありました。
ちっとも正反を買ってない身には耳が痛いですが、著作で「素敵でしょ〜すごいでしょ〜(ここ若干やっかみあり)」といろいろ紹介してるだけの生業の人とは違って、ちゃんと現物を流通させてるのは、本当すごいわ。と思いました。

しかも、なんだかあっさりしてんだ。そこも凄いです。

posted by のの吉 at 20:47| Comment(0) | 着物本

2009年06月29日

二十四節気ときもの

中谷 比佐子 著

本屋で斜め読みです。
前半はカラー画像で、この時期にはこれが素敵なのよ、なご指南本。
後半はモノクロ「365日わたしの着方」で著者の1年の実録?になってます。

前半、梅雨時の雨ゴートを
芭蕉布で仕立ててみたら、まぁぴったり。って


無理ですから。そんな贅沢、普通。


Amazonの「著者について」では、
“きものジャーナリスト”。
「きものが私をどう変えるか」というきっかけから、きものを着続けて40年。
とのこと。

「私」が前面に出るとなんだか読みづらいです。

暢気に着物がどうにも好きなのよん。
か、
育ちとか時代から着物は当たり前。
なほうが、すっと読めるように思います。

なんだか、今回まるで学ぶ気なし。でした。
posted by のの吉 at 23:51| Comment(2) | 着物本

2009年06月09日

きものを纏う美

節子・クロソフスカ・ド・ローラ 著

表紙で真っ赤な帯締めてます。

なんだいいんじゃん。

とちょっと思いました。
ま、この著者も一般人じゃないので、冷静に考えるとあんまりいいんじゃん、な例ではないですが。


それだけです。
本屋で斜め読みしただけです。
買おうかとちょっと揺らぎましたが、あまりの文字の大きさに馬鹿にされたような気がしてやめました。

普通の単行本の文字サイズなら、ページ数1/3になりそうでした。

調子に乗ってんのは、著者ご本人でなく、出版社だと思いますが、文字も大きすぎると読みにくいです。
昔の新潮文庫の文字が好きでしたな。




posted by のの吉 at 20:35| Comment(0) | 着物本

2009年05月06日

きもの帖

幸田 文 (著), 青木 玉(編)


長時間叱られ続けたような読後感でした。

着物を着ることが日常だった頃から、日常でなくても今よりは一般的だったころの文章、かつご本人もそれなりに苦労された方なので、

こう着ると素敵よ。 とか、
こんな贅沢も工夫も楽しいのよ。
というご指南本ではなく、

きちんとしないとみっともない。 とか、
努力をして着姿を素敵に維持しなさい。
というよう内容に感じました。

また、このオススメされてる努力ができない範囲でもないので、逃げ場がないです。

別に着物なくても死なないしぃ、と言い訳してしまいそうです。

この章のここが、と指し示せるわけでもないんですけどね。
私が色々だらしないからかもしれませんが、なんだかかなり追い込まれました。

<2009/5/9追記>
ネットをうろうろしていて幸田露伴『努力論』というのを見かけました。。。
posted by のの吉 at 20:49| Comment(2) | 着物本

2009年03月15日

柄 きものと帯

浦澤月子 著

樋口可南子さん本に触発されて、着物本を買い漁ってたころに購入しました。

当時は樋口可南子風に傾倒していたので、「なんか古臭いな」と思いましたが、最近読み返したら、こっち(?)もいいわ、となりました。

柄×柄は、育った環境に着物がないとすっとは入ってこないんだぁと思いました。
年とって、返って華やかな色柄に引かれてきているからかも。

本書の無地の着物の項に「澄んだ色を選びなさい」というのにも大きく頷いてしまいました。肌はくすむ一方だ。

それと、読み返して思ったのが、写真で、帯が見えてる角度の場合の、袖の角度。
短めなのか、後ろにかなり斜めに突き出てます。襦袢とか裏地が覗いて、なんかいい感じです。柔らかものでもそうなんですよ。
当時のお約束だったのか?な。
posted by のの吉 at 20:38| Comment(0) | 着物本

2009年03月13日

昔のきものに教えられたこと

石川あき著

奈良の旧家の方の着物のお話なのだけど、
曾祖母さまのお葬式の様子とか子供時代のお正月の様子とか、

うわ、鈴木清順

と思いました。
が、よく考えれば、鈴木清順は造りもので、こっちは本物。

一カマに染めるとか、滝しぼとか、今まで聞いたこともない言葉なのに懐かしいような言葉いいですねぇ。

しかし、育ちのよさというのは最強だと思いました。
お金では育ちは買えないのだけど、それなりにお金がないとこの手の育ちのよさは手に入らないという。経験の厚さというか。

着物に手を出すまでは、お金はそんなに要らないや、と思ってましたが、着物をはじめるとお金持ちに生まれたかったな(人まかせ)としみじみ思うことがあります。

posted by のの吉 at 02:22| Comment(0) | 着物本